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Cultural Landscape Research
文化的景観研究

阿蘇

阿蘇は、世界有数の火山地帯である日本列島の中でも、大きな二つの火山帯が交差する地点に位置し、数回にわたる多量の火砕流噴出と降灰が現在の九州の地形を形づくると共に、東西約18km、南北約24kmという世界屈指の巨大さをもつ陥没カルデラを形成した。やがて内部には湖が誕生するが、中央火口丘群の火山活動が始まり、立野火口瀬から湖水が流出して現在に至っている。本資産の価値を支える第一の基盤は、火山活動がもたらしたこの火山灰層豊かなカルデラ火山の自然地形にある。

大観望-2トリミング*
大観峰

このカルデラ火山と人間との共生史は、カルデラ縁上では旧石器時代まで遡り、その後火山活動が安定した弥生期には、人々は火口原(カルデラ床)に定住し始める。文献においても、7世紀の中国の史書『隋書』倭国伝には「阿蘇山」がすでに神格化された形で記述されており、日本では平安期の『延喜式』に草原と人との係わりを示す記述がある。そこで草原は、耕作の労働力としての牛馬の放牧や飼草採取の場、草肥生産の場として利用され、水田耕作や畑作との密接な関係の中で管理された。また屋根材としてなど、草原の草は地域の中で循環利用され、地域の人々の生活や生業を支えてきた。戦後、大規模圃場整備事業や農業の機械化等が進み、役牛は徐々にその役目を終え、肉牛の飼育が増えてくると、草原は採草・放牧地へとその役割を特化させながらも持続的に継承されている。これら「草原の景観」は、古来より管理の目的をもって火入れを繰り返す「採草、火入れ、放牧」という人々の営みによって維持されてきた。そこには絶滅危惧植物や中国大陸(満州・朝鮮)系の大陸系遺存植物、北方系遺存植物が、また残存する森林には襲速紀要素の日本固有植物群も生育しており、さらにこれら植物に依存して西日本には珍しい北方系で草原性の鳥類・蝶類や貴重な絶滅危惧種など多様な動物も生息している。本資産の価値を支える第二の基盤は、この「一万年の草原景観」とその維持システムおよび日本で特異な位置を占める生物相にある。  また、草原からカルデラ壁の急崖を降りた人々は、伏流水が湧き出す崖錘の裾野に集落を構えた。そして後背の崖錘斜面を薪炭林(松林)として管理し、川を治めつつ頭上の草原より牛馬と草肥を運ぶことで、火口原の酸性低湿地を長い時間をかけ豊かな水田へと転換していった。人々は試行錯誤の末、この火口原からカルデラ縁上へと向かう比高500mの「耕地-集落-森林(里山、二次林)-草原(外輪山)」、あるいは中央火口丘に向かう比高1,000mにも達する「耕地-集落-森林(里山、二次林)-草原-火山」という奥山に至らない(南郷谷では奥山をもつ)垂直的な土地利用ユニットを集落ごとに有機的に進化させてきた。この100を超える土地利用ユニットの面的連続は、急崖や火口付近の不毛地を除く阿蘇カルデラのほぼ全域を覆い尽くしている。人々が、日々生き抜こうと住家を整え田畑を耕し、森や草原を管理し続けてきた営みが、人智を越えた力となって作用して阿蘇カルデラ火山の一大景観をデザインしたと言える。

棚田-2*
棚田
南阿蘇集落

今日、焦土であった火口原はやがて緑の大地となり、その環境と向き合った人々の叡智が時代を越えて積み重なり、現在もカルデラと5万人の住民が穏やかに共生している。そして人々は、個々の集落という生活圏に生きつつ、カルデラ火山という小宇宙に固有の信仰心を培ってきた。本資産の価値の本質は、まさにこの世界最大の単一景域を有する文化的景観にある。  このように阿蘇は、火山という過酷な自然環境に対峙した人々の流した汗と積み重ねた叡智の記憶、そして信仰対象を一つの景観として表現している点において、顕著な普遍的価値を有すると結論づけることができる。 (阿蘇文化的景観調査検討委員会「阿蘇文化的景観調査報告書」2015年の【阿蘇の文化的景観「カルデラ火山との共生」価値説明文(案)】より)

中岳火口

 

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岩国

【原稿執筆中】

 

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平戸市

【原稿執筆中】

 

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平取

【原稿執筆中】

 

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JICAプロジェクト

サルト(ヨルダンハシミテ王国)

【原稿執筆中】

 

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シミエン国立公園(エチオピア)

世界危機遺産に登録されている「シミエン国立公園」において行政、観光関連事業者及び地域住民が一体となってコミュニティ・ツーリズムの開発を行い、農業や牧畜の代替産業としてのツーリズムの育成を通じて、公園内及び周辺地域の自然環境の保全と地域住民の生計向上の両立を目指す。

 

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チャチャポヤ(ペルー)

【原稿執筆中】

 

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歴史的港湾都市レブカ(フィジー共和国)

【原稿執筆中】

 

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宇治

茶畑*

茶摘み*

製茶工場*

茶箱-1*

宇治橋通り*

 

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